※本記事はネタバレを含みます。未見の方はあらすじだけ読んで作品をお楽しみください。
今回はオードリー・ヘプバーンの名作映画「ティファニーで朝食を」をネタバレありで酷評レビューします。
名作として知られる本作はタイトルだけ知っていましたが、これまで観る予定は一切ありませんでした。
そもそも私ブランド品に一切興味もてなくて「ティファニー」というワードに目が留まらないんですよ。
ですが、つい先日「ローマの休日」を観て感銘を受けてしまいまして、オードリーに興味を持ったんです。
そこでいいタイミングで「午前十時の映画祭」にて本作が上映されることを知り、「こりゃ行くしかねえ!」と思ったわけですよ(TOHOシネマズ 日本橋にて)。
ところが本作、筆者個人的に少し残念な作品でした。
率直に言うと期待していたほど楽しめませんでした。
あくまで個人的な意見なので「めちゃめちゃ面白い!」と感じる人がいることも全く否定しません。
本作が大好きな人はこの記事を読むと気分を悪くするかもしれないのでご退出願います。
1人の人間が率直に思ったことを書き記しているだけなのでその点だけご了承ください。
※令和6年4月時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細は各社の公式ホームページにてご確認ください。
あらすじ
トルーマン・カポーティの同名小説をオードリー・ヘプバーン主演で映画化した不朽の名作ラブストーリー。ニューヨークのアパートで猫と暮らしている娼婦ホリーは、宝石店ティファニーの前で朝食のパンを食べるのが大好き。ある日、彼女のアパートに作家志望の青年ポールが引っ越してくる。自由奔放で不思議な魅力を持つホリーに次第にひかれていくポール。ところが、テキサスからホリーの夫が彼女を連れ戻しにやって来て……。
引用:映画.com
作品情報
原題 | Breakfast at Tiffany’s |
監督 | ブレイク・エドワーズ |
主演 | オードリー・ヘプバーン、ジョージ・ペパード |
製作年 | 1961年 |
製作国 | アメリカ |
上映時間 | 115分 |
主な登場人物
引用:Amazon
ホリー・ゴライトリー
自由奔放であり、いろんな人に迷惑をかけながら、享楽的な生活を送っている女性。
ニューヨークでお金持ちの男性とデートをしてお金をもらいながら暮らしている。
高級宝石店ティファニーをこよなく愛している。
どうやら彼女の人生の目標は、大富豪と結婚して玉の輿に乗ることのように思えるが…
ポール・バージャク
ホリーと同じマンションに住む売れない作家。
既婚のデザイナーである女性「2E」とは愛人関係であり養ってもらっている。
2E
ポールの愛人。
ネタバレあり酷評レビュー
ハードルを上げ過ぎた筆者も悪かった
引用:「ローマの休日 製作70周年 4Kレストア版」特設サイト
まず初めに、筆者がなぜ本作を観ようと思ったのか?
それはつい先日「ローマの休日」を観て感銘を受けたからです。
「ローマの休日」でオードリー・ヘプバーンの可愛さに惹かれてしまい、「彼女が出演している作品をもっと観たい」という気持ちが芽生えました。
そんな中タイミングよく「午前十時の映画祭」にて本作が上映されていたので鑑賞するに至りました。
つまり、本作を観た理由は「ローマの休日」と同等の感動を得たかったからであり、ものすごく期待していました。
しかし、結果的にハードルを無駄に上げてしまったことになりました。
確かにジャンルとしては両方とも同じ「ラブコメ」としてカテゴライズされるかと思います。
そうは言っても「ローマの休日」と同水準の出来を求めるのは少し酷かなという気がします。
「そんだけハードルを上げたお前が悪い」と言われても仕方ありません。
今回の記事では酷評レビューとなっていますが、決して本作が絶対的な駄作だと言いたいわけではありません。
正確に表現すると、「ローマの休日との相対関係でみるとどうしても劣ってしまうと言わざるを得ない」となります。
それを聞くと「そんなの当たり前だよ!何と比較してんだよ!(笑)」と怒る方もいるでしょう。
しかし、「ローマの休日」に感銘を受けたことでオードリーの出演作品に興味を抱き、筆者と同じようにハードルを上げて本作をご覧になった方も多いのではないでしょうか?
オードリー・ヘプバーンが出演しているということは「ローマの休日との比較」からは逃げられないのかもしれません。
そうは言っても、筆者から言いたいことは一つだけです。
「ムダにハードルを上げないようにしましょう!(笑)ハードルを上げ過ぎて損するのは自分です」
オードリー・ヘプバーンがあまり魅力的に見えなかった
彼女目当てで本作を観た人は多いでしょう。
筆者もその一人です。
本作でもやはり彼女のお美しさは健在でした。
しかし、「ローマの休日」ほど魅力的に感じませんでした。
魅力的に感じなかった原因は役柄にもあると思います。
役柄について言葉を選ばずに言うなら「すれっからし」ですからね。
でも、それは役柄の問題であってオードリーの問題ではありません。
彼女は自由奔放で逞しい女性を演じ切っており素晴らしかったです。
ぶっちゃけ、役柄うんぬんにかかわらず問答無用に美しかったです。
しかし、そうは言っても「ローマの休日」における彼女が好きな方は落胆してしまう可能性があります。
「永遠の妖精」というイメージが崩れてしまう人もいるかもしれません。
まあ筆者としては、同じ役柄ばかり演じるのではなく、ガラッと雰囲気の違う役に挑戦するマインドは尊敬できます。
コメディシーンをもう少し頑張ってほしかった
実は私「ローマの休日」まだ一度しか観ていません。
それなのにすべてのシーンが鮮明に記憶に残っています
筆者としてはそんな作品は珍しいです。
みなさんもそうじゃないですか?
映画なんて一度観ただけだと、インパクトあるシーンしか記憶に残っていないですよね。
「ローマの休日」はすべてのシーンとセリフが愛おしいです。
それに思っていた以上にコメディ要素が強かったです。
しかし、「ティファニー~」はコメディシーンもぶっこんできますが残念ながらあまり面白くありません。
笑わせようとしていることだけは伝わりましたがクスっと笑えませんでした。
例えば、Mrユニオシが体を起こすと提灯に頭をぶつけるシーン、そして寝ぼけたまま色んな家具にぶつかりまくるシーン、あれも寒すぎるギャグ。
歩きたばこが多すぎて気になる
これは時代背景が全然違うので仕方ありません。
しかし、現代を生きる人々の中には気になる人もいると思います。
筆者もその中の1人です。
気になりすぎて内容が入ってこないことさえあります。
人口密度の高いパーティ会場でタバコ持ってウロウロするなんて危なすぎる。
手に持っているタバコにばかり目が行ってしまいました。
しかし、例えば時代劇を観ている場合、現代人と行動が著しく違っていても気にならないですよね。
なのに比較的近代の作品になると気になってしまいます。
とは言え、60年代や70年代の作品は歩きたばこガンガンやってます。
それでもフツーは気にならないのですが、本作はちょっとやりすぎ感がありました。
日本人を小馬鹿にしているように見える
ホリーが暮らしているアパートの住人として「ユニオシ」という日本人(設定)が登場します。
そもそも「ユニオシ」って何?
そんな名前の日本人は聞いたことありません。
演じた俳優さんには失礼ですが、もう少しイケメンを用意できなかった?
別にイケメンじゃなくても良いですけど、あれだと日本人を小馬鹿にしていると思われても仕方ありません。
見た目がイケメンじゃないというよりは、ユニオシの動きや喋り方が明らかに変なんですよ。
あの出っ歯は意図的ですか?(機会があったらもう一度観て確認しようと思いますが)
日本人をバカにするのなら、もっと笑いに昇華させてほしかった。
日本人キャラの使い方に製作側のセンスのなさが露呈されており、それが作品全体に現れているといった感じ。
デートの様子が痛々しい
特に後半です。
図書館という公共の場で「静かにしろ」と何度言われてもうるさく騒ぎ立てる痛々しさ全開のバカップルっぷりもさることながら、しまいには万引きを楽しむ始末。
もう呆れてものが言えません。
映画はフィクションなので作中の行動にあれこれとツッコミを入れるのは不毛だと分かっています(後述しますが、ホリーのキャラクター設定も影響していると思われます)。
しかし、そうは言っても犯罪ですからね…
このバカップル風景を見て誰か憧れる人いるんですか?
観客のみなさんはドン引きしていますよ?(ドン引きしているの筆者だけだったらすいません(笑))
感情移入しづらかった
これは筆者の問題かもしれませんし、「酷評」とは少し違います。
そもそも娼婦というキャラクター設定が感情移入しづらいんですよ。
確かにホリーは、「14歳で年の離れた男と結婚し、貧乏暮らしに嫌気が差して家出する」というなかなか稀有な人生ルートを辿っている女性なので、感情を読み取りづらい部分があります。
なので、ホリーの心情が容易に理解できませんでした。
作中で散見される破天荒な行為(先述したデート風景含む)も仕方ないのかもしれません。
しかし、自分とは全く境遇の異なる人物が何を考えているのかを映画を通して追体験できるという楽しみ方はあります。
なので酷評というよりは、「感情移入しづらくてホリーの言動が初見では理解しづらかった」というのが正しい感想です。
良かった点
ニューヨークの風景がオシャレ
高層ビル群が立ち並び、道路も広く開放的でオシャレな都会の風景を楽しむことはできます。
この風景を見るとニューヨークに行きたくなりますよね。
テーマ曲「ムーン・リバー」が良い
歌詞もメロディーもなんだか哀愁漂っていて個人的には好きです。
メロディーもかなりシンプルに聞こえましたが、それ故になんだか耳に残りやすいなと感じましたね。
猫が可愛かった
本作のMVPは猫ちゃんだと思います。
とにかく動きが可愛い。
猫とオードリーを共演させたのは失敗なんじゃないかな?
同じ画面に映っていてもオードリーではなく猫に目が行ってしまいましたから。
そんな猫ちゃんを投げ飛ばすわ、土砂降りの雨の中タクシーから降ろすわ、かわいそう。
まあこれは演技だから虐待とは違うと思いますが。(猫ちゃんを投げ飛ばしたシーンはどうやって撮影したのか分かりませんが)
頑張って劇場に行かなくてもいいかもしれない
筆者は「午前十時の映画祭」にて鑑賞しましたが、別にわざわざお金と労力を費やして劇場に行かなくてもいいかもしれません。
ですが、時間に余裕がある方はむしろ劇場に足を運んだ方がいいかもしれません。
なぜなら、配信で観ていると筆者と同様に「面白くない」と感じたときに途中で観るのをやめてしまうかもしれないからです。
やっぱり最後まで観てみないと面白いかどうか判断できない部分も多いですよね。
その点、とりあえず劇場に行けば最後まで観る可能性が高いですよね。
HuluやAmazonプライム(レンタル)でも観れます。
※令和6年4月時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細は各社の公式ホームページにてご確認ください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は酷評レビューとなってしまいましたが、一見の価値はあると思います。
それに筆者自身も一度の鑑賞で理解しきれていない部分が多いと思いますので、これから定期的に鑑賞すると思います。
二度、三度観ていくうちに感想は変わると思います。
みなさんもぜひ一度もしくは再度ご覧になってみてください。
今日もご愛読いただきありがとうございました。
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