4月12日に劇場版最新作「100万ドルの五稜星(みちしるべ)」が公開されますね。
ちょっとコナンに興味が湧いてきて「過去作でも観ようかな~」と思っていませんか?
コナンは毎年4月頃に公開されてきて「100万ドルの五稜星(みちしるべ)」でもう27作目です。
でも、過去作が多すぎてどれから観ればいいのか分からんですよね?
「忙しいし全部観る時間もないし…」と思っていませんか?
その場合、「本当に面白い」順に観ていけばいいんです。
今回紹介する作品はコナンに興味がない人でも絶対に観るべき作品です。
ぜひ今回紹介する3作品だけでも観てください。
近年の作品は別に観なくていいよ!
引用元:「名探偵コナン」原作公式サイト
今回の記事は「コナンファン以外の人」でも楽しめる作品を紹介します。
私自身はコナンオタクで過去作はすべて観ており、なんならテレビシリーズもすべて観ています。
でも、そんなにコナンに精通していない人はそもそも登場人物の関係性もよく分からんですよね。
コナンは始まってからけっこう長いので登場人物も増えまくっていてもはやカオスです。
近年の劇場公開作品は多すぎるキャラが総動員してきますのでぶっちゃけ混乱します。
「あいつもこいつも一体誰だ?」となります。
それに近年の劇場公開作品は恋愛要素が多かったり、キザな怪盗を頻繁に登場させたりとチープに大衆化しすぎているきらいがあります。(まあ興行収入を確保するにはこうするしかないとは思いますが…)
しかし、初期作品(2000年頃)は基本キャラクターのみ登場しますし、ストーリー重視で純粋にサスペンス映画として楽しめます。
まあ長年コナンファンをやっている筆者からすると、「黒鉄の魚影」はかなり胸熱でしたね!!
ランキング選定の基準(サスペンス要素重視)
基本的に私の主観100%で決めています!
ですが、一応他のランキング記事も読んでみました。
そうすると他の記事と私が選ぶTOP3はあまり違いはありませんでした。
なので、本記事は私の主観ランキングですがこれが世間のランキングだと思ってもらって構いません(笑)
やはりみんな初期の頃のコナン映画が好きみたいです。
コナン映画は作品によって「何に重きを置いているのか?」が異なります。
・恋愛要素メインなのか?
・アクション要素メインなのか?
・サスペンス要素メインなのか?
・それともキザな怪盗を見せたいだけなのか?
本記事では「サスペンス要素」を重視します。
では早速ランキングTOP3いきましょう!
3位 瞳の中の暗殺者(第4作)
あらすじ
ある雨の日、コナンと少年探偵団たちは電話ボックス内で警察官が射殺される殺人現場を目撃する。
コナンは犯人を追うが捕まえることはできなかった。
そして、撃たれた警察官は死に間際にコナンに対してダイイングメッセージを残す。
その後も、警察官が殺害される事件が発生するなか、白鳥警部が自分の妹の結婚披露パーティーを開催する(なんでこのタイミングで…)。
当然、白鳥警部の同僚枠ということで警察官が大量に参列するなか、今度は佐藤刑事が撃たれる。
偶然その場に居合わせた蘭は犯人の顔を見てしまう。
しかし、佐藤刑事が無残に撃ち抜かれた姿と「あること」が起因して、著しい精神的ショックを受けてしまい、記憶喪失となる。
そしてコナンや父親である毛利小五郎のことすら思い出せなくなっている。
蘭は心療科の治療を受けながら記憶を取り戻すことに専念する。
しかし、犯人は唯一の目撃者である蘭が記憶を取り戻すまでに殺害せねばと執拗に蘭を狙う。
果たして蘭は記憶を取り戻すことができ、犯人を割り出すことができるのか?
そして冒頭のダイイングメッセージの意味は?
監督 | こだま兼嗣 |
脚本 | 古内一成 |
上映時間 | 100分 |
公開年 | 2000年 |
主題歌 | あなたがいるから (小松未歩) |
見所
安っぽいメロドラマにとどまらない人間ドラマ
少し恋愛要素が入っているように思えますが、いつもの安っぽいメロドラマ感は出ていません。
「大切な人の命を全力で守る」という恋愛を超越した「愛」に主眼を置いています。
だいたい工藤新一はいつも「バーロぉー、んなんじゃねえよぉ~」とかキザなセリフばっかり言っていますが(観てるこっちも恥ずかしくなる)、本作ではチャラさがなく蘭に誠実に向き合います。
また、園子と蘭の友情物語でもあります。
ラスト、この2人の友情シーンで筆者は涙しました。
犯人のサイコパスっぷり
犯人は蘭を殺すためなら何でもやります。
「そこまでやる??」とツッコみたくなるぐらいです。
たとえ人ごみの中であっても、スキあらば蘭を殺そうとします。
コナンとしては早く犯人突き止めてとっ捕まえないとヤバいわけです。
そして犯行動機もかなりサイコパスです。
1つ目の殺人動機はぶっちゃけ理解できなくもないです。(人を殺めても仕方ないという意味ではなく、恨んでも仕方ないという意味です)
でも、それ以降の動機は理解しがたく、ただ自分の保身のために殺人を繰り返しているだけです。
記憶をなくした蘭は白紙の状態からコナンと向き合う
記憶をなくしてしまった蘭はコナンに対して「坊や、誰?」と言います。
あれだけ仲良かったのに悲しいですよね…
しかし、自分のことを全力で守ってくれる様子から蘭は少しずつコナンに心を開いていきます。
でも同時に「この坊や、なんで私のことをこんなに守ってくれるの…?」と疑問も抱くようになります。
ときに自分の命を懸けてまで守ってくれるコナンに対して罪悪感すら抱きます。
「私のためにコナン君を危ない目に遭わせている」と。
記憶をなくした蘭にとってコナンは「どこの誰だかよくわからない少年」ですが、少しずつ心を開いていく過程が丁寧に描かれており、人間ドラマとして楽しめます。
その他
・殺害トリックは難解ではなく、かなりシンプルかつ現実的です。よくある紐を使ったような「それ実際にやって成功するの?」とツッコみたくなるようなトリックは使いません。
・ダイイングメッセージのミスリードも絶妙!冒頭でダイイングメッセージを残して死んだ警官には失礼ですが「そのダイイングメッセージは明らかにミスリードしちゃうでしょ!(笑)」と言いたくなります。
2位 天国へのカウントダウン(第5作)
あらすじ
コナン達一行は新しく建設された高層のツインタワービルに立ち寄る。
そこで毛利の大学の後輩で、ビルのオーナー兼IT会社「TOKIWA」の社長である常磐美緒と会う。
そこではオープンパーティーの準備が進められており、コナンたち一行はツインタワービルの建設に関わった人物を紹介される。
しかし、その後ツインタワービルの関係者たちが次々と殺されていく。
なぜか死体の傍には真っ二つに割られたお猪口が置かれていた。
そしてジンやウォッカなどの黒づくめの男たちもツインタワービルを出入りしていた。
そんな中、ツインタワービルのオープンパティ―が開催される。
しかし、またも事件が発生し、さらにツインタワービルで爆発が発生し会場はパニックになる。
一連の殺人事件と黒ずくめの組織との関係は?
そして、コナンたちは無事にツインタワービルを脱出することができるのか?
監督 | こだま兼嗣 |
脚本 | 古内一成 |
上映時間 | 100分 |
公開年 | 2001年 |
主題歌 | always (倉木麻衣) |
見所
灰原哀の苦悩
映画冒頭から哀ちゃんが不穏な動きを見せます。
何やらどこかに電話をかけているみたいです。
何の目的でどこに電話をかけていたのかが中盤で分かります。
哀ちゃんの心情を想像するに辛く切ない気持ちでいっぱいになります。
哀ちゃんがやっていることは「こんなことやっていたらダメなんだけど、どうしてもやってしまう」という内容で、自分が哀ちゃんの立場でも同じことをやっていたかもしれません。
この頃の哀ちゃんは非常に病んでおり、死を考えることが多くなっているように思えます。
でも私が思うに、この哀ちゃんの「死を考える」感情は少年探偵団のあるメンバーのクライマックスの行動によって完全に吹っ切れたように思えます。
誰の行動によって哀ちゃんの希〇念慮が完全に吹っ切れたのか?みなさんも考えてみてください。
クライマックスのアクション
今回のアクションシーンの何がいいかって?
現実的なのか?非現実的なのか?がかなり曖昧な点です。
クライマックス、とんでもないアクションをします。
「んなあほな!無理でしょ!」と思うかもしれません。
しかし、物理学的に実現不可能か証明できる人なんていないはずです。(証明できる人いたらすいません)
他にも爆発する系の作品はたくさんありますよね。
でも、ラストで爆発を食い止めるパターンもありますが、こういう展開は個人的には拍子抜けします。
だって爆発しなかったということは、そもそも爆弾自体がハッタリだったという可能性もありますよね?
それなのに「爆発を食い止めたぞー!」って喜んでいることが意味不明です。
しかし、本作のクライマックスにおいては爆弾はハッタリではなく、ちゃんと爆発します。
未見の方は楽しみにしていてください。
それにコナンの肝が据わったセリフも好きです。
ラストのアクション内容を少年探偵団に説明すると、「そんなの無理でしょ!」みたいなツッコミが入ります。
それに対してコナンは「待っててもどうせ死んじまうんだ、やろうぜ」
くう―――!!カッコイイね!
犯人はそれほど意外でもない
今回の犯人はそれほど意外な人物でもありません。
観ながら犯人が分かった人もいるかもしれません。
もしかしたら、死体の横のお猪口の意味も分かった人がいるかもしれません。
また、だいたい劇場版コナンの犯人はサイコパスが多いので、共感しづらい犯行動機が多いです。
しかし、本作の犯行動機を聞いたら妙に納得できる自分もいます。(一応言っておきますが、だからと言って人を殺めていいというわけではありません。)
「こういうことって現実でもよく起こるよな…」と巨大組織に勤めているサラリーマンや公務員などは共感できる動機かもしれません。
その他
・とにかく無駄なシーンがなくすべてのシーンに意味がある。
・蘭の決死のダイビング(このシーンは熱いです!)
・光彦の恋の葛藤が地味に面白い
・歩美ちゃんが可愛い
1位 ベイカー街の亡霊(第6作)
あらすじ
物語冒頭、10歳の天才プログラマー少年が高層ビルの屋上から投身自殺をするシーンから始まる。
その2年後、コナンたち一行は巨大IT企業が開発した「コクーン」というVRゲームの完成披露パーティーに参加した。
このパーティーでは、日本を代表する大企業の社長や政治家などの大物たちが招待され、その子供たちがVRゲームを体験できることになっている。
コナンたちは園子の招待によってこのパーティーに参加できている。
しかし、そのパーティーの最中、VRゲームの開発者がIT企業社長に殺害される。
殺害後の現場を見たコナンは「ゲームの中に犯行を明らかにする鍵があるはずだ」と確信し、VRゲームに参加する。
ゲーム開始後、ゲームの支配人からルールが説明される。
しかし、支配人によるとそのゲームは全員がゲームオーバーになってしまうとプレイヤー全員がリアルに死んでしまうという恐ろしいルールだった。
ゲームを中断することはできないため、ゲームクリアするか死ぬかの二択の状態だ。
そして、その支配人は物語冒頭に投身自殺をした少年の魂だった。
少年は自殺によって肉体は滅びていたが、自殺直前にコンピュータ上に自分の精神(魂)を人工頭脳として残していたのだ。
果たしてコナンたちはゲームクリアし、現実の死を回避できるのか?
そして、IT企業社長がゲーム開発者を殺害した動機は何なのか?
監督 | こだま兼嗣 |
脚本 | 野沢尚 |
上映時間 | 107分 |
公開年 | 2002年 |
主題歌 | Everlasting(B’z) |
見所
異質でアダルトなSF物語
本作は他の作品と比べて明らかに異質な空気を放っています。
それもそのはず、脚本がいつもの人(古内一成)と違うんですよ。
脚本の秀逸さを筆頭に作品としての面白さはぶっちぎり1位です。
ゲームの舞台は100年前のロンドンであり、シャーロックホームズも登場します。
コナン君が大好きな世界観です。
VRという設定により非現実的な舞台を創り出すことに成功しており、エンタメ性の高い作品だと言えます。
小難しい推理だけじゃないため子供であっても楽しめる仕様になっています。
完全に大人向けの作品
完全に大人向けの作品です。
人工頭脳(自殺した少年)の主張はかなり極論であり、安易に発言すると炎上してしまうような内容です。
主張内容を簡単に要約すると、
「世の中のトップの人間は世襲によって地位を確立しているので、バカばっかりだ。そしてそのバカから産まれた子供たちもバカばっかりだ。このバカな子供たちはいずれ親の地位を受け継いでバカなリーダーになっていく。そして日本はどんどんダメになっていく。この負のループを断ち切るには日本のトップ層の子供たちを全員殺す必要がある」
どうですか?ヤバくないですか?
いやでも、「主張内容がまったくの暴論なのか?」と聞かれると「うーん…」ってなりますよね。
このように作中では問題発言がありますので、悪影響を受ける人がいないとも限りません。
じゃあ子供が観たらぜったいダメなのか?
そんなこともないと思います。
実際私も子供の頃に観ていますし。
なぜなら、子供が観ても「ふーん」くらいで軽く流してしまうと思います。子供はそんなに深く考えないと思います。(子供によっては悪影響が及ぶ可能性は十分にあると思いますのでご注意ください。)
肉体が死んでも、精神は生き続けることについて
引用:「哀れなるものたち」公式HP
最近エマ・ストーン主演の「哀れなるものたち」が話題になりましたが、冒頭シーンが非常に似ています。
僅か10歳の少年が投身自殺するというショッキングな場面で幕を開けます。
その少年は肉体が滅びても魂をクラウド上に保存して、しかも精神的に成長していくんですよ。
(「哀れなるものたち」は冒頭が似ていますが、蘇る方法が異なります)
この発想恐ろしくないですか?
肉体がなくなっても精神が生き続けることが倫理的に正しいのか間違っているのか正解はないと思いますが、非常に考えさせられます。
だってテクノロジーが進めばそんなことが可能な時代が来るかもしれないから。
子供たちの死に間際の冷静さが妙に怖い
ゲームプレイ中、少年探偵団の仲間たちも死んでいきます(ゲームオーバーになる)。
ゲームオーバーになるということは「自分はこれ以上プレイできないので、ほかのプレイヤーにすべてを託す」ことを意味します。
残ったプレイヤーがゲームをクリアしてくれなければ自分は甦ることはありません。
しかし、みんなコナンへの信頼は厚いので死に間際もあくまで冷静です。
「コナンだったら絶対生き返らせてくれる」という信頼があるので、安心した面持ちでゲーム上の死を受け入れます。
もはや小学1年生とは思えない落ち着き具合です。
それにゲーム上でのプレイ内容とは言え、自殺のシーンがありますのでご注意ください。
※本作を担当した脚本家・野沢尚は本作公開から2年後に自ら命を絶っており、筆者としてはどうしても本作のストーリーと現実の出来事をリンクさせて考えてしまうところがあります。
犯人の動機
今回はIT企業社長がゲーム開発者を殺害したことがはじめから観客に見せられています。
つまり映画の観客としては犯人が初めから分かっているんです。
でも、ゲームとどのように関係してくるのかが分かりません。
現実の殺人事件はコナンの親父・工藤優作が解決に向けて動きます。
実は、殺されたゲーム開発責任者は優作の古くからの親友だったのです。
筆者の初見時、犯行動機を聞いた時「え?そんなこと?」と幼いながらに思った記憶があります。
しかし、この犯人は一般の方にはなじみのない「巨万の富と名声を手に入れた巨大企業の社長」であり、安易に共感できない立場にいる人間です。
ぜひ、この人の立場になって犯行動機について考えてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
コナン映画を1から観ようと思ったら時間がいくらあってもありません。
面白い作品から順番に観ていって、もしドハマりしたらその他の作品やテレビシリーズを観ていけばいいと思います。
私自身、コナンは昔から大ファンですので私の記事がきっかけでコナンが好きになる人が増えたら嬉しいです。
Huluではたくさんのコナン作品をご覧になれますので、ご興味ある方は覗いてみてください。
※令和6年4月時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細はHuluの公式ホームページにてご確認ください。
今日もご愛読いただきありがとうございました。
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