今回は令和6年8月9日公開の映画「スージー・サーチ」をネタバレありで紹介します。
失礼な言い方になりますが「意外と面白かった」です。
ぶっちゃけ、あまり期待していませんでした。
だって、なんだかありがちなストーリーだと思いませんか?
あらすじを読んだだけで先が見えてしまいそうですよね?
「どうせ、承認欲求が強い女の子が一度バズったことがきっかけでどんどん自作自演の過激なことをやっていく、みたいな話でしょ?」って僕は思いました。
そういう系の話だと思って観たんですが、ちょっと一味違うんですよ。
これね、後半の展開を予測できた人ほとんどいないと思います。
そういう意味で見応えあります。
では細かく説明していきます。
あらすじ
ポッドキャストの配信を通してインフルエンサー失踪事件の真相を追う大学生の秘密を予測不能な展開でコミカルに描き、インスタントな名声と称賛を求めるSNS文化を鋭く風刺したダークミステリー。
大学生のスージーはポッドキャストで配信を続けているが、なかなかフォロワーが増えずにいた。ある日、インフルエンサーとして人気を集める同級生のジェシーが、突如として失踪を遂げる。スージーは自身のポッドキャストを通して事件の謎を追い、やがてジェシーを発見することに成功。世間からも大きな注目を集めるようになったスージーはさらに事件の真相を探ろうとするが、事態は思わぬ方向へと転がっていく。
作品情報
原題 | Susie Searches |
監督 | ソフィー・カーグマン |
主演 | カーシー・クレモンズ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2022年 |
上映時間 | 105分 |
レイティング | G |
ネタバレあり感想
はじめに言っておきますが、僕は一度しか観ておらず、記憶を頼りに書いておりますので、もしかしたら誤っている箇所があるかもしれません。
もし間違い等に気づいた方がいらっしゃればコメント等でご教示くださいませ。
再度申し上げますがネタバレしていますので未見の方はご退出ください。
登場人物整理
重要な人物は以下のとおりです。
スージー:主人公。ジェシーを自ら監禁し自ら救出するという自作自演をやらかした本人。
ジェシー:インフルエンサー。スージーに監禁されたことなんてつゆ知らず、救出してくれたことに対しスージーに感謝しているくらい。
ジェシーの親友:スージーの自作自演にいち早く気づいた。しかし、そのことについてスージーを問いただしている最中に勝手に2階の窓から落ちて死んでしまう。
バイト先の店長:動物を殺してその死体をコレクターしているサイコ野郎。最終的にスージーにジェシー監禁犯の濡れ衣を着せられ、保安官に撃たれて死んでしまう。
保安官:スージーのことを怪しんでおり、スージーの尾行をしている。
【全体像】ザックリとネタバレ
先ほど登場人物の紹介でもお話ししましたが、ジェシーを誘拐したのはスージー本人で完全に自作自演です。
そのことにジェシーの親友はいち早く気づきます。
そしてジェシーの親友はスージーを問いただしますが、勝手に窓から落ちて死んでしまいます。
その後、その死体をスージーは「自殺の名所」に運んでいき、自殺に見せかけます。
しかし、ジェシーは「彼が自殺なんてするはずがない。だって、彼は僕と付き合っていて今度旅行に行く約束だったんだから」と。
なんと、ジェシーはゲイだったみたいです。
そのことにスージーは落胆(スージーは彼が好きだったのか?)。
ジェシーは引き続きスージーに犯人捜しを継続するように懇願します。
一方、保安官はスージーを怪しんでいたみたいでスージーを尾行していました。
なぜ怪しんでいたかというと、スージーの毛髪がジェシー誘拐現場に落ちていたという手掛かりをつかんでいたから。
スージーはその証拠を隠滅すべく、バイト先の店長の髪の毛を切り取り、自分の毛髪(証拠品)とすり替える。
そしてその後、バイト先の店長の家に行く。
その目的はもちろん、ジェシー誘拐犯の濡れ衣をバイト先の店長に着せるため。
しかし、バイト先の店長は動物を殺してコレクションしているヤバイ奴で、スージーが動物の死骸にあっけにとられている最中に店長もやってきました。
そしてスージーは店長に殺されそうになります。
今にも殺されそうになったとき、スージーを尾行していた保安官によりバイト先の店長は撃ち殺されて死んでしまいます。
そして、スージーは「殺されそうになりながらも店長によるジェシー誘拐の犯行をつきとめた英雄」として社会的に称えられます。
最後のシーンではジェシーと一緒にテレビ番組に出演し、インタビューを受けていました。
しかし、ジェシーを監禁していた際にスージーがジェシーに発した言葉をインタビュー中に口走ってしまい、ジェシーは自分を監禁した人物がスージーであることを知り、驚愕の表情を見せ物語は幕を閉じました。
ツッコミ所が多い
本作はツッコミ所が多くて観ていて飽きませんでした。
個人的にツッコミ所も含めてエンターテインメントだと思っています。
僕が感じたツッコミ所を以下に紹介します(他にも書ききれないくらい細かいツッコミ所はあります)。
窓から落ちる?
ジェシーの親友はスージーがジェシーを誘拐し自作自演で救出したことを見破ります。
そして、スージーの家に侵入し「お前がやったんだろ!」とスージーを問いただします。
それに対してスージーは木製バットで応戦しようとしますが、戦う前にジェシーの親友は勝手に窓から落ちてしまいます。
そして打ち所が悪かったのか頭から血を流して死んでしまいます。
まず窓から勝手に落ちてしまうことが意味不明でした。
しかも、たかだか2階から落ちただけなのに即死というのもいまいち納得感がありません。
まあ、打ち所が悪ければ死ぬと思いますけど。
自殺に見せかける?
窓から落ちたジェシーの親友をなぜかスージーは「自殺の名所」なる場所に運び、自殺に見せかけます。
意味わからなくないですか?
だってジェシーの親友は勝手にスージーの家に侵入し、勝手に窓から落ちて死んだんですよ?
それって明らかに住居侵入罪だし、ただの事故死です。
それをなぜ自殺に見せかける必要があったのか?
このスージーの行動が世にバレたらヤバいですよね?
確かにジェシーの親友がスージーの家に来たということがジェシーにばれたら、スージーは怪しまれるでしょう。
つまり、スージーはジェシーの親友が自分の家に来たことを隠したかったのでしょう。
しかし、そうは言ってもそのためにここまでのリスクを犯しますか?
スージーはいつも冷静沈着な犯罪者ですが、この行動には理解できませんでした。
スージーがジェシーを監禁した理由は?
「ジェシーのことが好きだったの?」と思わせる場面がありました。
具体的にはジェシーがゲイであることを知ったとき、ひどくショックを受けていたんです。
ここで問題になるのが、スージーはいつからジェシーを好きになったのかということです。
監禁する前からジェシーのことが好きだったのであれば「救出してジェシーの気を引くために監禁したのか?」とさえ思ってしまいました。
そもそもスージーの目的は?
今回の一連の犯行は、承認欲求を満たすことが目的なのか、それとも母の看護のためにお金が必要だったのか、主たる目的がハッキリわかりませんでした。
というのも、スージーの母は病気のようで、ほとんど家で寝たきりなんですよ。
物語序盤で「収益化を目指している」と母に話していましたからね。
どちらが目的なのかによってこの物語のメッセージ性は大きく変わると思います。
承認欲求が人を揺り動かすことの怖さなのか、お金目的でバズを狙うことの怖さなのか。
スージーは裏表がない人?
ラストシーン直前くらいだったかなあ。
スージーが通う学校の先生が「あなたって裏表のない人ね」と高く評価するシーンがありますが、このシーンって何か意味がありましたか?
それに、なにをもって先生は「スージー=裏表のない人間」と評価したのかも不明です。
スージーちゃんがそれだけ周囲の人間を騙せているということを強調したかったのでしょうか?
ラストシーン
ラストでバイト先の店長に殺されそうになったとき、保安官が彼を撃ち殺してくれてスージーは間一髪助かりました。
これは偶然に起きたことなのか、それともスージーの計画通りのシナリオだったのか?
それは僕には分かりませんでした。
一応、僕の予想だとスージーの計画通りだったと思います。
なぜならスージーは自分が保安官に尾行されていることを知っていましたからね。
自分がバイト先の店長に殺されそうになった時に尾行していた保安官が撃ち殺してくれることは理論上予測できます。
しかし、それはあくまで理論上の話であって、実際にその通りに事が進むかは分かりません。
僕だったら保安官が助けに来てくれることを期待(計算)したうえで、あんなリスクを背負うなんて勇気はありません。
「タクシードライバー」を彷彿とさせるラスト
みなさん「タクシードライバー」って映画を知っていますか?
この映画についてはこの記事でネタバレすることはできませんが、「スージー・サーチ」のラストを観ると、どうしても「タクシードライバー」のラストを彷彿とさせるものがあります。
気になる方はぜひ「タクシードライバー」を観てみてください。
※本記事執筆時点(令和6年8月時点)ではU-NEXTで配信されていました。
観た後は僕が書いた記事も読んで観てください。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事を観た方は本作をご覧になったと思いますが、この記事に書かれていることも一理あるでしょ?(笑)
ツッコミ所が多くてめちゃ楽しめる作品でした。
それにスージーちゃんが割と可愛らしくて、そのくせエゲツナイ犯行をするでしょ?
スージーちゃんがやっていることはマジで非人道的でとても許しがたい行為なんですが、なぜか憎めないんですよねー。
観ようかどうか迷っている方は思い切って観ちゃってください。
きっと予想より楽しめるはずです。
今日もご愛読いただきありがとうございました。
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