6月7日公開の映画「違国日記」をさっそく観てきました。
今回はネタバレありで正直な感想を書いていきます。
なので、未見の方はあらすじだけ読んだうえで作品を観てからこの記事に戻ってきてください。
まず前提として僕は原作を読んでいません。
原作は2017年から連載が始まって、全11巻のマンガがあるらしいです。
原作のファンがこの映画を観ると、言いたいこと(批判も含め)がたくさん生まれるかもしれません。
11巻もある原作を139分にギュッと凝縮するのは至難の業でしょう。
どこかでストーリーが飛躍してしまうかもしれないし、言葉足らずになってしまうこともあるでしょう。
なので原作を読んだ人は「原作とちょっと違う…」などの批判もあるでしょう。
でも、僕は原作知らないので比較ができません。
そのことを踏まえて、映画だけを観た僕の率直な感想を話していきます。
あらすじ
大嫌いだった姉を亡くした35歳の小説家・高代槙生は、姉の娘である15歳の田汲朝に無神経な言葉を吐く親族たちの態度に我慢ならず、朝を引き取ることに。他人と一緒に暮らすことに戸惑う不器用な槙生を、親友の醍醐奈々や元恋人の笠町信吾が支えていく。対照的な性格の槙生と朝は、なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに、家族とも異なるかけがえのない関係を築いていく。
引用:映画.com
作品情報
引用:映画.com
監督 | 瀬田なつき |
主演 | 新垣結衣、早瀬憩 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2024年 |
上映時間 | 139分 |
参考:予告編で登場した文言
引用:映画.com
予告編で示される言葉は物語を紐解く上で重要なキーワードとなるのでインプットしておいて損はないでしょう。
・「心が救われる」と大きな反響を呼んだ
・「わかり合えなくても、寄り添えることを知った」
・「違う場所で生きてきた2人の、同居生活がはじまる」
・「あなたの感情もわたしの感情も自分だけのものだから、分かち合うことはできない」
・「あなたとわたしは別の人間だから」
ネタバレあり感想
面白かった点とつまらなかった点をそれぞれ挙げますが、総合的に考えて個人的にオススメできる作品です。
原作を読んでいる人がこれを観てどう思うかは分かりませんが、僕と同じように原作を読んでいない人には間違いなくオススメできます。
会話も面白いし、なにより優しい気持ちで劇場をあとにすることができます。
面白かった点(良かった点)
とにかく朝(早瀬憩)の演技が可愛かった。
引用:映画.com
朝にはずっと癒されます。
動きがウニウニしてて(褒めてます)可愛いんですよ。
特に新垣結衣さんが長身なのでその隣にいると小動物っぽさもあってとにかくかわいいです。
この演技をずっと観てられます。
僕は139分間、朝の演技だけを見ていたと言っても過言ではありません。
朝は喜怒哀楽が激しく、感情の振れ幅も大きいです。
ちょっとしたことでひどく落ち込むこともあるし、動揺もします。
その無邪気でピュアな様子を見るのが面白過ぎる。
表情が豊かなんです。
この映画の一番の魅力を語ってくれと言われたらやはり「朝の演技」でしょう。
これは演技なのかそれとも早瀬憩さんの普段どおりの振舞いなのか。
ファンになっちゃいました。
説教クサくない
引用:映画.com
正直に言うと、予告編を観て「何だか説教クサそうな雰囲気もあるぞ…」と思っていました。
だって予告編で新垣結衣が「あなたの感情もわたしの感情も自分だけのものだから、分かち合うことはできない」なんて真顔で言っているんですよ。
僕はてっきり、槙生と朝との間で親子関係のような「教育する側」と「教育される側」の関係が出来上がるのではないかと思っていました。
でもそれってフェアな関係ではないですよね。
これでは長期的に良好な人間関係を構築できるとは思えません。
しかし、実際に蓋を開いてみると2人はほとんど対等な関係性を築いていったんです。
親子関係でもなく友人関係でもなく、お互いの不足する部分を補い合うような関係性を構築していくんです。
その点は見事だな~と感心してしまいました。
つまらなかった点(残念だった点)
ガッキー(新垣結衣)が地味
引用:映画.com
役柄の問題なのでこれは仕方ありません。
基本的に槙生はずっと仏頂面で愛想がありません。
(ラストだけステキな笑顔を見せます)
そのため、どうしても目線がにこやかな朝(早瀬憩)に集中してしまいます。
「逃恥」のような可愛くて癒されるガッキーを期待していると肩透かしを食らうかもしれません。
(本作を観ようとしている人で「逃恥」のようなガッキーを期待している人はいないと思いますが…)
ちなみにガッキーさんが超かわいい「逃げるは恥だが役に立つ」はU-NEXTで観れる(令和6年6月本記事執筆時点)のでこれを機にまずは無料で登録してみるのはいかがでしょうか?
無料期間楽しんでみて合わなければやめれば良いと思います。
安易にLGBT要素を入れ込む
引用:映画.com
朝の親友の女の子は実は女の子が好きなんです。
途中、そのことを朝にカミングアウトするシーンがあります。
LGBTであることは別におかしなことではないので構わないんですが、どうしても「またこの話か…」と思ってしまいました。
近年、映画でもドラマでもLGBT要素を含ませすぎだと感じているのは僕だけですか?
とは言っても、この親友の女の子がLGBTであることに対する朝の反応が可愛かったので結果的に良かったです(笑)
槙生が姉を嫌っている理由が分かりづらい
引用:映画.com
観ればわかると思いますが、槙生はかなり姉のことを嫌っています。
姉は既に死んでいるのにまだ憎んでいるんです。
朝に「なぜお母さんのことが嫌いなの?」と聞かれても「その話しないで!」みたいに頑なに突っぱねるんです。
槙生のこの様子から「姉から相当嫌なことをされてきたのか?トラウマ級の出来事でもあったのかな?」と思いながら観ていたんです。
でも、後半に姉が嫌いな理由が少し語られるだけで、それほど詳しい説明はありませんでした。
僕の記憶も定かではありませんが、「夢ばかり追いかけてんじゃねえ!現実見ろよ!」的なことを姉に言われてきたとか?(だった気がする)
このセリフだけを切り取っても、死んだ姉の真意がよく分からないんですよ。
妹に対して良かれと思って言ったのか、それとも悪意があったのか?
いずれにしても、夢を追いかけるかどうかの話なんて、単なる価値観の違いだと思います。
「ああこの人はそう思うんだね。自分は違うけど」と割り切ることさえできれば、それほど相手を憎むような話ではないと感じたのは僕だけでしょうか?
まあ、このような経験をとおして、槙生は以下のような言葉を朝に語りかけたのかもしれません。
「あなたの感情もわたしの感情も自分だけのものだから、分かち合うことはできない」
まとめ
いかがだったでしょうか?
色々話しましたが結局は朝(早瀬憩)の演技が一番印象に残りました。
2回目を観るとしても、やはり目的は朝の演技です。
本当に奇跡の演技だったと思います。
だって、これは彼女の現年齢でしか出せない味かもしれないから。
本作はどんな人と一緒に観ても楽しめる作品です。
何観るか迷ったら本作を選んでみるのはどうでしょうか?
新垣結衣さん主演の「正欲」もぜひお楽しみください(Huluでレンタル可能です)。
(※令和6年6月本記事執筆時点の情報です。現在は配信終了している場合もありますので、詳細はHuluの公式ホームページにてご確認ください。)
今日もご愛読いただきありがとうございました。
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