今回は「SING/シング」「ミニオンズ」でお馴染みのアニメ制作会社「イルミネーション」最新作「FLY!/フライ!」について、ちょっとだけネタバレありで感想を語っていきます。
これから本作を観ようか迷っている方に向けて私の個人的な感想を書いていきます。
本記事では、基本的に物語の核心に触れるネタバレはしません。
しかし、未見で内容を一切知りたくない方は離脱願います。
なぜなら作中のセリフも一部載せていますし、クライマックスの展開も少し紹介しているからです。
(そもそも本作は「ネタバレ」という概念がそれほどないように思います。)
「FLY!/フライ!」について
基本情報
原題 | Migration |
ジャンル | アドベンチャー、コメディ |
監督 | バンジャマン・レネール |
主演 | クメイル・ナンジアニ(吹替:堺雅人) |
上映時間 | 83分 |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 2023年 |
あらすじ
映画「FLY!/フライ!」公式サイト
アメリカの小さな池に暮らすカモの家族。
父親のマックは「今いる池に一生居続ければ、これからも平穏で幸せに暮らすことができる」と信じている。
そして子供たちには「池の外に飛び出したら恐ろしい末路を迎えることになる」という話を聞かせて育てており、子供たちには池の外に出ることに対して恐怖心を植え付けている。
そんなある日、マックたちが住む池に移動中の渡り鳥が立ち寄る。
その姿に、マック以外の妻のパム、息子のダックス、娘のグウェンはテンション爆上がり。
「自分たちも外の世界を見てみたい!!」と熱望する。
安定志向で外に出たくないマックだったが、家族の強い意向もあり、はじめてのお引越しを決意!
家族みんなで旅に出ることに!
主要な登場人物
映画「FLY!/フライ!」公式サイト
マック:父ガモ。心配性でもともと大胆な挑戦をすることを恐れている。
パム:母ガモ。肝が据わっており、頼りがいがある。マックほど挑戦を恐れていない。
ダックス:兄ガモ。好奇心旺盛。
グウェン:妹ガモ。かわいい。
ダンおじさん:おじガモ。気難しい性格だが子供に甘い。
チャンプ:NYのハト集団のボス。口調がちょいワル。(上の画像)
そもそも鴨(カモ)ってなに?
私が調べた範囲でカモの特徴をいくつか列挙します。
・食用として使われる
・カモ(かも)は、騙しやすい人のこと。(本作でもその名の通りカモにされているシーンがあります)
・日本には、主にカルガモ、オシドリ、マガモ、コガモ、オナガガモなどの種類が生息している。
・カモの多くは渡り鳥である。
・ずんぐりむっくりした見た目とは違って飛行速度は時速70キロ程度と意外と運動神経に優れている。
本作も渡っていく場面がメインであり、それに飛行スピードもかなり速いです。
雑感
映画「FLY!/フライ!」公式サイト
なんと上映時間83分!
近年の劇場公開作品は2時間なんて当たり前で、3時間近い作品も珍しくありません。
その点本作はとにかくテンポがよく、簡潔に83分にまとめられています。
無駄なシーンが一切なく洗練されています。
飛行シーンの迫力!
鳥目線で大空や大都会の真ん中を飛行するシーンの迫力がすごく、もはやアトラクションです!
ぜひ劇場の大画面で体験してほしいと思います。
作中で一番変化が大きいのがお父さん
子供向けかと思っていましたが、大人こそ響く内容となっています。
本作の主張を雑に一言で言えば「自分の殻に閉じこもらずにチャレンジしよう!」
でも挑戦するのって本当に怖いですよね。
失敗して損するかもしれないし、その様子を周りの人にバカにされるかもしれない。
また、昔からずっといる場所ってなんだか居心地がいいですよね。
その気持ちは子供のときより大人になってからの方が強く感じるように思います。
特に社会人になって結婚して子供が生まれたりすると、大胆な挑戦は今まで以上にやりにくくなります。
失敗したときの家族への影響も考えるようになりますから。
良くも悪くも「落ち着いてくる」のです。
変化を好まなくなってくるんです。
そして、代り映えのしない毎日を送り、いつか寿命を迎えることになります。
私はそのような生き方を否定しているわけではありません。
生活が安定すると精神的にも安定します。
心穏やかに毎日を暮らせることは素晴らしいことだと思っています。
でも、本心では「もっと広い世界を見てみたい」と思っている大人が多いのではないでしょうか?
本作はそんな大人に対して背中を押してくれるものです。
だからこそ大人の方々に観ていただきたいのです!
本作を通して一番変化が著しいのがお父さんのマックです。
ぜひマックの変化に着目してご鑑賞ください。
本作から学んだこと、正しい挑戦のやり方
これ以降は本作から私が学んだ「正しい挑戦」について語っていきます。
挑戦しよう!なんて耳にタコができるほど聞いたよ
「広い世界を見るべく挑戦しよう!」
みなさんこれを聞いてどう思います?
こんな風に思った方もいるでしょう。
「んなこと分かってるよ!俺は何年生きてきたと思っているんだ?そんな戯言これまで何千回聞いたかわかんねえよ!んな説教クセえことを偉そうに言ってくる映画なのか?」
確かにその気持ち分かります。
だって「自分の殻に閉じこもっていないで挑戦しよう!」だなんて、既に色んな情報発信者(例えばユーチューバー)が言っていますから。
新しい挑戦をすることはとても怖い
「挑戦が大切」なんて言われても第一歩を踏み出すことが怖いですよね。
失敗するかもしれない、失敗している様子を周りの人からバカにされるかもしれない。
そんな風に考えただけで一歩が踏み出せなくなります。
挑戦にはリスクがつきもの
映画「FLY!/フライ!」公式サイト
そもそも、挑戦することは果たして本当に素晴らしいことなんでしょうか?
「挑戦することだけが正義!」と盲目になるのは思考停止だと思っていますし、何の計画もなしに挑戦すると人生のどん底に陥る危険性さえあります。
冗談でも何でもなく、最悪命を失うことさえあると思います。
この作品でも主人公たちは何度か命を落としかけています。
ところで本作では、シェフがヴィランとして登場します。
ちなみにこのシェフはヴィランとして描かれていますが、絶対的な悪人ではなく単純に自分の仕事をしているだけです。
つまり、ただ料理の具材としてカモを捕まえているだけです。
しかし、カモから見れば自分の命を脅かす存在です。
主人公たちは外の世界に飛び出した結果、このような恐ろしい存在にも遭遇することになります。
このように本作ではちゃんと挑戦に対するリスクも描かれています。
無計画な挑戦はあぶない
映画「FLY!/フライ!」公式サイト
本作では、そもそも主人公たちにこれと言った計画はありませんでした。
「外の世界に出よう!」と見切り発車に出発します。
その結果、多くの失敗もします。
クライマックスでは「もうダメかも…」という危機に直面します。
そこでお母さんが泣きながら「やっぱりあなたの言ったとおり、あのまま池にいた方が良かったんだわ…」と言います。
それに対してお父さんが言ったセリフはぜひ作品をご覧ください。
余談ですが、本作のラストのような状況に陥ったとき、現実の世界では「だから言ったじゃーん!!」とか「俺ぁ初めからうまくいかねえと思ってたんだよぉ!」なんて言ってしまう人が多いです(笑)
じゃあどのように挑戦すればいいの?
「考え得るリスクを想定し、計画を立てたうえで挑戦する」
曖昧な表現になってしまいましたが、これが正しい挑戦のやり方だと感じました。
もちろん本作は映画なので、激しく危ない展開がないとエンタメとして面白くないですよね。
なので、主人公たちは危うく何度も死にかけます。
しかし、現実で挑戦するときは本作のような無計画な挑戦をするんじゃなくて、適正なリスクを受け入れながら挑戦すべきです。
どこまでいっても「挑戦」なので、リスクはゼロにはなりません。
しかし、致命傷を負ってしまうと再起不能になります。
それだけは絶対に避けなければなりません。
共に挑戦する仲間も大事
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挑戦するときは同じ方向を向いた仲間の存在が重要です。
本作も危ない場面で仲間が助けてくれます。
「もう終わりかもしれない」と思ったときに最後に助けになってくれるのは信頼できる仲間です。
何かに挑戦するとき、初めは独りぼっちかもしれません。
しかし、誠実に自分のやるべきことに向き合っていく過程で信頼できる仲間は必ず見つかると信じています。
時には挑戦者をバカにして、足を引っ張る人間が現れるかもしれません。
しかし私としては、「自分の殻に閉じこもって挑戦者をバカにするんじゃなくて自ら新しい挑戦をする人」が世の中にもっと増えたらいいなと願っています。
その方が、共に挑戦する仲間が増えていきますから。
挑戦者は挑戦者を応援する傾向があると思います。
その逆は…あえて言いません(笑)
まとめ
いかがだったでしょうか?
ちょっと本作を観たくなりましたか?
映画作品がきっかけとなり、明日へのアクションにつながったとしても、それは一時的かもしれません。
でも、一時的であっても第一歩を踏み出すことに意義があると思っています。
この記事がきっかけで本作を観たいと思える人が増えたら嬉しいです。
今日もご愛読いただきありがとうございました。
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