こんにちは!
今回は令和6年7月26日公開の映画「ロイヤルホテル」について語っていきたいと思います。
本作は上映館が少ないのですが、僕はヒューマントラストシネマ有楽町で観てきました。
ネタバレありで自由に語っていきますので未見の方は読まないでください。
あらすじ
「アシスタント」の監督キティ・グリーンと主演ジュリア・ガーナーが再タッグを組んだスリラー映画。女性バックパッカー2人がオーストラリアのパブで働く中でハラスメントを受ける様子を記録した2016年のドキュメンタリー映画「Hotel Coolgardie」に着想を得て、オーストラリアの寂れたパブでアルバイトする女性2人に襲いかかる悪夢のような出来事を描く。
ハンナと親友リブはオーストラリア旅行中にお金に困り、荒野に建つ古いパブ「ロイヤルホテル」に住み込みでバーテンダーとして働くことに。しかし彼女たちを待ち受けていたのは、飲んだくれの店長や粗野な客たちが起こすパワハラやセクハラ、女性差別の連続だった。楽観的なリブは次第に店に溶け込んでいくが、真面目なハンナは孤立して精神的に追い込まれ、2人の友情は崩壊していく。
作品情報
原題 | The Royal Hotel |
監督 | キティ・グリーン |
主演 | ジュリア・ガーナー、ジェシカ・ヘンウィック |
製作国 | オーストラリア |
製作年 | 2023年 |
上映時間 | 91分 |
レイティング | G |
ネタバレあり感想
雑感
結論から言いますとつまらなかったです。
けっこう期待していたんですよ。
最近フェミニズム映画って増えましたよね。
近年だと「哀れなるものたち」とか「バービー」とか。
つい最近の作品で言うと「先生の白い嘘」なんかもフェミニズム要素が入っているのではないでしょうか?
フェミニズムがテーマになると僕も含めて全人類が他人事ではなくなるので面白くなりやすい傾向があると思うんですよ。
そして本作は女性2人が主人公ということで「テルマ&ルイーズ」のような展開を期待して「これは隠れた良作だ!」と判断して公開後さっそく観に行っていきました。
しかし、見応えはあまりありませんでした。
僕の読みはハズレました。
でも「Z級クソ映画だ!」というほどでもないんですよ。
適度に楽しめます。
またいい意味でストレスも感じます。
でもこれと言ったインパクトがないんですよ…
THE中途半端映画!って感じ。
カンガルーとか蛇とかエロい姉ちゃん(主人公たちの他にワーキングホリデーをやっていた女の子たち)を急に出演させて観客の退屈しのぎをしているのかもしれませんが、話の本筋と関係なので出演させる意味もほとんどない。
あと、星空がきれいとか無駄なシーンも多い印象。
とは言え、メッセージ性はなかなか素晴らしい(後述している)と思いました。
確かに胸糞悪い
主人公の女性はパブの客から絡まれて陰湿な嫌がらせを受けます。
物理的な嫌がらせというよりは言葉の嫌がらせです。
この記事にはとても書けないような汚い言葉を発しています。
「○○犬」なんて言葉を吐いてきます。
その様子を観ると確かに胸糞悪いし観客にストレスを与えていることに成功しています。
しかし、ちょっとストレス度合いが弱い!
やるんだったらもっと徹底的に観客にストレスを与えた方がいい。
中途半端なのが一番よくない。
それに一人のクソ客が主人公の女性に言葉の嫌がらせをしているんですが、その周りにお客さんもいるんです。
そのクソ客は周りのお客さんに対しても毒を吐いているんです。
つまり、1人のクソ客が複数人を相手にケンカを売っているんです。
あまり見かけない光景ですよね。
複数人が1人をボコボコにしている光景はよく見かけますけど。
クソ客が1人なら、全員でかかってそのクソ客1人を潰しにかかればいいのに、誰一人そのクソ客に反論しないんですよ。
全員そのクソ客一人に言われっぱなしなんですよ(笑)
不思議なことに、そのクソ客も見た目があまり強そうじゃないんです。
何も言い返せないくらい見た目も強そうな客だったら仕方ないんですが、そのクソ客(↑上の画像)は意外と弱そうなんですよ。
ガタイも良くないし、肉体的に迫力がありません。
だから「なんでこんな雑魚1人にみんな揃いに揃って屈服しているのか?」僕は意味が分からなかったです。
でもまあ、クソ客が弱そうな男だと言っても、そもそも主人公は女性ですし、そこに居合わせた客も老人だったのでパワーバランス的に縮こまってしまうのもやむを得ないかもしれませんけどね…。
作品のメッセージ性は素晴らしい
おそらくこの作品のメッセージとしては以下のようなものだと思います(※僕の解釈です)。
・「一部の地域ではまだこんなセクハラが残っているよ」
・「知らない土地でのワーキングホリデーは危険だよ」
このメッセージ性自体は素晴らしいと思います。
セクハラが残っている地域(文明が遅れている地域等)ってまだまだあると思うんですよ。
もしかしたらセクハラは我々人間の意識レベルではどうにもならないのかもしれません。
つまり人々の倫理観に委ねるのではなく、社会的にセクハラを潰していくしかないのではないかと思っています。
具体的には、セクハラをした人間を厳しく罰する仕組みが重要だと思っています。
男は性欲で生きている人間でもあるので、誰かが止めないと暴走してしまう危険性があります。
それは僕も例外ではありません。
力の強い男が暴走してしまうと、か弱い女性が餌食になってしまう可能性があります。
だからこそ警察や司法の仕組みが重要になるんだと思います。
この映画を観ていると警察や保安官が一切登場しないんですよ。
つまり、誰も罰する人がいない無法地帯なんですよ。
こんな無法地帯では男たちは本能のままに行動してしまいます。
そんな中で女性が安心安全に過ごしていくことは困難なのかもしれません。
無法地帯に女性だけで行くことは極めて危険な行為であるという警鐘という意味では本作は良作だと解することができます。
そういう意味では本作は女性にとってはかなりの良作だと考えられます。
カタルシスもあまりない
ラストは店ごと燃やします。
しかし、そんな仕返しをするんじゃなくて、もっと「人」に対して直接的な仕返しをしてほしかった。
主人公たちを虐げてきたクソ男たちに直接的な物理攻撃として復讐をした方が観客もカタルシスを感じることができたと思う。
店を燃やすんだったらせめてクソ男たちが店内にいるときに燃やして、クソ男たちを丸焼きにするとかした方が復讐としてはスッキリしますよね。
仕返しが中途半端なんですよ。
でもまあ、嫌がらせを受けたからといって相手を殺すのはやりすぎだという意見もあると思うので、現実的には店を燃やすくらいしかできなかったのでしょう。(それでも現実的にはやりすぎですけどね(笑))
とはいっても作品パッケージに「私の我慢は、限界を越えた」とあるので、もっと大暴れしてほしかったというのが正直な気持ちです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
これといって強みがない作品でしたが、女性が観ると印象も大きく変わるでしょうし、一見の価値はあると思います。
X(旧Twitter)では「900円の価値しかない」とか書いてしまいましたが、観る人によっては10,000円以上の価値があるかもしれません。
特に本作の主人公と同様のこと(女性2人で旅行)をこれからしようとしている女性などは観た方がいいと思います。
今日もご愛読いただきありがとうございました。
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